メタリックな輝きが反射する東洋風の閨房。ムスク香るサテンの布、ひんやりとした肩と腰の線と乳房。ぴりりとしたピンクペッパーの刺激、絹の下に広がる香をたきしめた髪。
”私が題材に選んだ作品は「グランド・オダリスク」。この絵に描かれる彼女こそ、絶対的な美の象徴で、美しさのスタンダードです。むき出しの肌とラグジュアリーなドレープの対比にまず眼を奪われるはずです。そしてオリエンタリズムの影響も漂います。
まずはじめに彼女の香りを想像してみました。彼女は裸?ーその通り。彼女は清潔?ーおそらく。愛し合った直後かもしれない、わからないけど。香り立つな肌とセンシュアルな汗。足元には香水を燃やすディフューザーも見えます。
そんなことを考えながらお香にも似た、ミスティカルなこの香りを作りました。この部屋にいるこの女性のまわりに漂うすべての香りを想像しながら。
さまざまなスパイシーなノートでセンシュアルさを表現しました。ペッパー、カルダモン、クミン、シナモン。なぜならオリエンタルな環境にいるのですから。お化粧の残り香はライスパウダー、ヘリオトロープ、トンカビーン、ベンゾアンを使い女性らしいタッチを加えます。最後にミスティカルでスモーキーなインセンスとミルラを加えました”
ー ドミティル・ミシャロン=ベルティエ(調香師)