19世紀の学者達が、エジプトとその財宝を求め夢見た東方を表現したオー・トリプル、アル・カシール。第三の目を開く「神々からの恵み」として、東方やインドでは幾千年も前から聖なる樹とされるサンダルウッドがこの香りの中心です。サンダルウッドは古代エジプトで太陽神ラーを讃える為に焚いたキフィというブレンドされた香の材料としても使われていました。王家の谷の財宝のごとく希少で心を引き寄せるオー・トリプル、アル・カシールは、東方で最も愛されるスパイスであるカルダモンにシナモン、ジンジャー、ごく新鮮なローズのタッチを加えるゼラニウムをそえた丁子、まろやかで甘美なパチュリと魅惑的なモクセイ、快活なレザーとはちみつの馥郁としたスパイスの連なりが、嗅ぐ人を陶然とさせる香りです。ヒマラヤ杉、ガルジャンウッド、ガイアウッドが燃える暖炉から立ちのぼる、琥珀色のヴァニラを感じさせる安息香と、ゴジアオイ、シトラスの香りを持つマニラ産の樹脂エレミ。神々により近づくために、終わることなく燃やされる、最も神秘的な樹脂と高貴な樹々の香り。極上のまぶしい雲の中に包み込みこまれるかのような、アルカシールの香りはイギリスの考古学者ハワード・カーターが1922年ツタンカーメンの墓を発見したときに発した言葉を思い起こさせます。「私の目が光りに慣れると、薄明かりからゆっくりと部屋の細部が広がった、不思議な動物や、彫像や黄金、あたり一面が黄金に輝いていた」